- 理学療法士協会に入会すべきか迷っている
- 入会のメリット・デメリットを知りたい
- 入会しない場合に必要なことを知りたい
養成校を卒業後、日本理学療法士協会(通称:PT協会)に入会すべきか悩んでいませんか?
結論からいうと、認定理学療法士や専門理学療法士を取得したい人は入会した方が良いです。
ただし、入会したときのメリット・デメリットもあるので、自身に合っているかを判断してもらえたらと思います。
入会しなかった場合に必要なことも合わせて解説していきます!
ステテコ
- 理学療法士の傍、ブログや副業を継続
- 副業・資産形成・理学療法士向けコンテンツを発信
- 30代、急性期病院勤務(転職2回)
PT協会入会のメリット
認定・専門理学療法士を取得できる
冒頭でも書いた通り、これが一番のメリットになります。
認定理学療法士や専門理学療法士は理学療法士の取得資格としての認知度が高いです。
取得することが自身のキャリア形成に繋がるため、専門性を重視する職場では転職に有利となります。
協会主催の学会や講習会に安く参加できる
PT協会主催の分科学会や研修に安い金額で参加できます。
例)分科学会の場合
- 非会員:15,000〜18,000円
- 協会員:5,000〜8,000円
※事前参加や当日参加により金額が異なる
年に複数の学会や講習会に参加するなら協会員がお得になります。
参加費の金額にもよりますが、2・3回の参加で年会費の元がとれます。
賠償責任保険がつく
協会員では「理学療法士賠償責任保険」という自賠責保険が無料で付与されます。
万が一、臨床現場で事故やトラブルを起こした際に役立ちます。
ただし、補償内容に限度があるため注意が必要です。
PT協会入会のデメリット
年会費が高い
PT協会の年会費は、「日本理学療法士協会の年会費+都道府県理学療法士会の年会費」で支払います。
例)勤務先が東京都の場合
- 日本理学療法士協会の年会費:10,000円
- 都道府県理学療法士会の年会費:10,000円
合計:20,000円/年
各都道府県の県士会の年会費の確認はこちらから
※公益社団法人日本理学療法士協会のHP参照
他のリハ職種と比較しても割高な金額です。
日本作業療法士協会の年会費:12,000円
日本言語聴覚士協会の年会費:8,000円
普通に良い値段します…
協会の勉強会や研修会の内容が物足りない
理学療法士なりたてでは症例検討会などを通して、実際に悩んでいる部分も解消できるかと思います。
PT協会の研修会は認定や専門理学療法士に必要な単位のための研修会が多いです。
それ以外の勉強会も内容はいまひとつで、良くも悪くも無料や安い金額で参加できる勉強会という感じです。
そのため、ある程度知識や経験年数がついている方には物足りないです。
臨床の悩み解消や知識を深めるのであれば民間の勉強会がオススメです。
賠償責任保険の補償内容が薄い
全員付与の賠償責任保険では内容が薄く、トラブルがあったとき全てに対処できません。
ケースとしては少ないですが、医療訴訟レベルの裁判では1,000万〜億単位での賠償金になります。
PT協会としても保証内容拡大のため「上乗せ補償プラン(任意加入)」の案内も行っています。
ただし、別途で年間3,470円を支払う必要があります。
身体障害 1事故/期間中 | 財物損壊 1事故 | 初期対応費用 1事故 | 人権侵害 | ||
1事故・ 期間中 | 被害者 1名につき | ||||
全員加入プラン (支払い限度額) | 300万円/300万円 | 補償なし | 補償なし | 補償なし | 補償なし |
任意加入プラン (支払い限度額) | 1億円/3億円 | 100万円 | 500万円 (見舞い金は1名につき10万円) | 100万円 | 50万円 |
筆者はPT協会に入会していません
正確にいうと、数年入会したのち休会しています。
理由として、
- 認定や専門理学療法士の必要性を感じていない
- 学会参加は数年に1回程度で十分
- 深めたいこと(臨床現場での知識)は民間の勉強会や研修会のほうが充実している
などがあり、デメリットの方が多いと判断し休会に至りました。
認定や専門理学療法士は協会員でないと取得できないので、そこが分かれ目かと思います。
賠償責任保険があるのは魅力でしたが、以下の方法で代替しました。
入会しない場合に必要なこと
民間の賠償責任保険に加入する
万が一の時の補償はとても大事です。
協会員でなくても民間の賠償責任保険があります。
※2024年度現在、「Willnext 医療専門職向けの賠償責任保険」から理学療法士が除外となりました。
他の代替手段が分かり次第更新致します。
それがこちら、「Willnext 医療専門職向けの賠償責任保険」です。
一般社団法人日本看護学校協議会共済会が運営しています。
東京海上日動火災保険が取り扱っている保険年間3,440円でPT協会の任意加入プランとほぼ同じ補償内容新型コロナやインフルエンザにも対応している共済制度も付帯
定期的に知識を高める
医療は日々変化していくため、合わせて知識を深める必要があります。
毎年開催されている学会は最新の知見を得られますが、学術的な要素が強いです。
私たちが働くのは臨床です。そこで必要なのは現場で使える知識です。
その点でいうと、民間の勉強会の方が臨床に還元できる内容のものが多いです。
今の時代、オンラインでも十分知識をつけることができます。
- 自身の職場で勉強会がなく不安、自信がない
- すぐにでも使える実践的な知識や技術を学びたい
- 自分のペースで勉強していきたい
周囲の目線を気にしない
これに関しては気持ちの問題なので、気にならない方もいるかもしれません。
私自身、休会を続けていますが周囲の同調圧力は高いです。
PTの職場は組織としての方針で入会している方が多く、入会していないと苦言を呈する人もいます。
周囲の目線が痛いかもしれませんが、気にしないメンタルをもちましょう!
まとめ:現状と今後を考えて判断すべき
- 認定理学療法士や専門理学療法士を目指したい人は入会すべき
- 学会や研修会に多く参加する人はメリットが多く、臨床が中心の人にとってはメリットが少ない
- PT協会に入会しなくても、より安く、個人にあったサービスがある
私自身、数年前まで入会していましたが現在も休会中です。
20,000円/年の出費は小さくありません。
この出費を節約して買えるものもありますし、やりたいこともできます。
自身のメリット・デメリットで判断しましょう!