- 理学療法士におすすめの投資を知りたい
- 資産形成を始めたい理学療法士
- iDeCoについて知りたい
iDeCo(イデコ)はNISA制度と同じく国が推奨する非課税制度の1つです。
投資初心者でも始めやすく、上手く活用することで理学療法士でも将来のための資産形成ができます。
この記事では理学療法士にiDeCoがおすすめの理由をメリット・デメリットを踏まえて解説します。
記事の後半では、iDeCoの始め方や運用商品を選ぶポイントを解説しています。
NISA同様、PTが始めるべきおすすめの投資です!
ステテコ
- 30代理学療法士(転職2回、急性期病院勤務)
- PT向けのキャリアアップや副業・投資関連のコンテンツを発信
- 貯金0円→2年で総資産200万円到達
理学療法士にiDeCoがおすすめな理由
いくつかありますが、理学療法士におすすめする理由として…。
- 個人で年金を積み立てながら、節税もできる
- 理学療法士の退職金が見込めない可能性がある
- 本業の忙しさを気にしなくても続けられる
個人的見解として、理学療法士の収入向上を目指すために転職を経験していくことが増えてくると予想しています。
そうなると勤続年数に応じて変動する退職金の受給が少なくなる可能性があり、予防案としてiDeCoを活用できます。
つまり、「将来へのリスクヘッジができる理学療法士にも優しい制度」なのです。
運用益も非課税になるためメリットがでかいです!
iDeCoとは
iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)は国が用意している「自分で備える老後の年金」のことをいいます。
決まった金額を毎月積立(拠出し)て、金融商品に替えて運用を行い老後に年金として受け取ります。
iDeCo | |
最低投資金額 | 5,000円 |
月額上限 | 1.2〜6.8万円/月(職種により異なる) |
年間上限 | 14.4〜81.6万円(職種により異なる) |
非課税期間 | 無期限 |
運用商品 | 投資信託、預金、保険など |
iDeCoでは運用益が非課税で再投資され、積み立てた掛金が所得控除となり節税になるのがポイントです。
メリット
運用益が非課税で再投資される
iDeCoは掛金を金融商品(投資信託や定期預金、保険商品など)に替えて運用していきます。
本来、積み立てた投資商品の運用益には税金がかかりますが、iDeCoでは非課税で再投資されます。
長期で運用するほど効果が大きくなります!
積立てた金額が所得控除になる
毎月積立てた金額が年末調整や確定申告を行うことで所得控除されます。
例えば毎月1万を積立てた場合…120,000円が給与所得から控除されます。
積立てた分が節税に繋がります!
受取時も一定額まで税制優遇
iDeCoを解約し積み立てた掛金を受け取る場合、一括受取であれば「退職所得控除」、年金受取であれば「公的年金等控除」の対象になります。
受取時は非課税になりませんが、控除があるのはメリット!
デメリット
原則60歳まで受け取れない
基本的には途中解約ができず、受取りは60歳以降(〜75歳)となります。
そのため急な出費でいざ手元にお金が必要となった場合に掛金を引き落とすことができません。
老後資金が目的のため致し方ありませんね…
掛金の最低金額が5,000円/月
iDeCoでは月の最低掛金が5,000円となっているため、最低でも年間6万円の投資額が必要となります。
ちなみに非課税制度のNISA(つみたて投資枠)では100円単位から投資可能であり、少ない負担で運用を始められます。
目的によって選び方を変えましょう!
元本割れのリスクがある
iDeCoでは金融商品(投資信託や定期預金、保険商品など)に変えて運用を行っていきます。
債券や株式などの投資信託などでは市場価格の変動に伴い、元本割れする可能性があります。
リスクを抑えたい場合は元本確保型の商品がおすすめです!
各種手数料がかかる
iDeCoには申込む金融機関だけでなく、国民年金基金連合会と信託銀行も関わっています。
そのため、以下の表のようにそれぞれ手数料がかかってきます。
項目 | 支払い先 | 金額(税込) |
---|---|---|
加入時のみ | 国民年金基金連合会 | 2,829円 |
毎月かかる手数料 | 国民年金基金連合会 | 105円/月 |
信託銀行 | 66円/月 | |
金融機関 (運営管理手数料) | 0〜500円程度/月 | |
給付時にかかる手数料 | 信託銀行 | 440円/回 |
還付時にかかる手数料 | 国民年金基金連合会 | 1,048円/回 |
信託銀行 | 440円/1回 | |
移換時にかかる手数料 | 元の金融機関 | 4,400円程度 |
運営管理手数料は金融機関によって異なるため、金融機関を選ぶポイントの1つにもなります。
また、投資信託を選んだ場合は別途で信託報酬も発生するため抑えておくようにしましょう。
運営管理手数料無料の金融機関を選ぶのがベターです!
iDeCoの始め方
加入資格・上限額の確認
加入区分 | 加入対象 | 拠出限度額 |
---|---|---|
国民年金の第1号被保険者 | 20歳以上60歳未満の自営業者とその家族、フリーランス、学生など | 6.8万円/月 |
国民年金の第2号被保険者 | 厚生年金の被保険者(会社員・ 公務員等) | 1.2〜2.3万円 (職種や企業形態により異なる) |
国民年金の第3号被保険者 | 厚生年金の被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者 | 2.3万円/月 |
国民年金の任意加入被保険者 | ・60歳以上65歳未満で、国民年金の保険料の納付済期間が480月に達していない人 ・20歳以上65歳未満の海外居住者で、国民年金の保険料の納付済期間が480月に達していない人 | 6.8万円/月 |
理学療法士として各施設で働いている場合は第2号被保険者ですね!
月の最低掛金は5,000円となっているため、無理のない範囲で掛金を設定しましょう。
掛金額は、1年(12月分の掛金から翌年11月分の掛金の間)に1回限り・1,000円単位で変更可能です。
使用口座の開設・決定
iDeCoはNISA口座と同様に、1つの金融機関でしか口座を作ることができません。
運用していきたい商品の有無や手数料を加味して口座を作るようにしましょう。
口座管理料が0円であり、運用商品が豊富な楽天証券や SBI証券 がおすすめです。
開設には以下の書類が必要となります。時間を要するものもあるため事前に準備しておきましょう。
- 個人型年金加入申出書
- 事業主証明書(会社員と公務員のみ)
- 本人確認書類の写し
- 年金手帳または基礎年金番号通知書
- 掛金を引き落とす銀行の口座情報
- 銀行届出印(書面申込の場合のみ)
運用商品の決定
掛金を決定したら、自身のスタイルに合わせたポートグラフで運用していきます。
途中で拠出額を止めたり運用商品を選び直すことは可能ですがNISAと違い、原則60歳まで引き落とせません。
そのため、運用していくリスクを考慮して商品を選ぶ必要があります。
複数の商品を選んだ方がリスク分散にもなります。
iDeCoの商品の選び方
運用商品には元本確保型と価格変動型の2種類があります。
また、商品の1つである投資信託にはインデックス(パッシブ)型とアクティブ型があります。
それぞれ特徴が異なるため、自身のライフスタイルや運用方針に合わせて商品を選ぶようにしましょう。
元本確保型と価格変動型
元本確保型 | 価格変動型 | |
---|---|---|
運用商品 | 定期預金、保険 | 投資信託、株、債券 |
元本割れリスク | なし | あり |
リターン | 低め | 高め |
おすすめの人 | 堅実に積立てたい 安定した老後資金を確保したい 投資に不安がある | 長期でリターンを狙いたい 価格変動に一喜一憂しない |
代表商品 | あおぞらDC定期 みずほDC定期預金 スミセイの積立て年金 | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) ニッセイ外国株式インデックスファンド |
元本確保型では元本割れをすることはありませんが、リターンは低め(年利0.02程度)です。
年利だけでは銀行に預けているのとほぼ同じですが、iDeCoでは後述する所得控除があるため節税になります。
価格変動型の商品は元本割れのリスクはありますが、長期的に高いリターンを得る可能性があります。
インデックス(パッシブ)型とアクティブ型
インデックス型 | アクティブ型 | |
---|---|---|
運用方針 | 特定の指数に連動 | 特定の指数を上回る |
手数料 | 低め | 高め |
おすすめの人 | リスクやコストを抑えたい 幅広く投資をしたい 投資初心者 | 大きなリターンを狙いたい 投資慣れしている |
代表商品 | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン) | キャピタル世界株式ファンド ニッセイ日本株ファンド ひふみ年金 |
大きな違いとして指数(日経平均株価やNYダウなど)に連動するかしないかの違いです。
アクティブ型は特定の指数を上回る方針のため、より大きなリターンを期待できます。
ただし、投資のプロ(ファンドマネージャー)が運用を行うため手数料が高い傾向にあります。
おすすめはインデックス型の商品
大前提としてiDeCoの本質は「本来支給される年金+α」のため長期投資となります。
長期投資ではドルコスト平均法が力を発揮するインデックス型の商品が向いています。
アクティブ型の商品よりも手数料が安く抑えられ、極力リスクも少なく運用できます。
商品を選ぶ際には純資産数・リターン率・手数料を意識しましょう。
「ファンドの規模が大きい=大手」のようなものなので初心者でも安心できるポイントです。
ただし、元本割れをしない補償はありません。元本確保型の商品でリスクを回避し節税に重きをおくのも選択肢の1つです。
注意点
他の制度との併用時の注意すべきポイントを解説します!
iDeCoとNISAの併用
NISAでは控除に影響しないため、iDeCoとの併用は問題ありません。
強いて挙げるとすれば併用することで月々の積立て金額が多くなることくらいです。
月々の積立てで生活を圧迫しないように注意しましょう。
iDeCoは年に1回(12月分の掛金から翌年11月分の掛金の間)・1,000円単位で掛金が変更可能です。
iDeCoと住宅ローン控除の併用
iDeCoは掛金が「所得控除」となり、住宅ローン減税は「税額控除」となります。
iDeCo:所得控除(税額控除よりも「先に」計算される)
住宅ローン減税:税額控除(所得税額が算出された「後に」引かれる控除)
住宅ローン減税では先に所得税から引かれ、所得税から引ききれなかった場合は住民税から最大9万7,500円まで引くことができます。
そのため、気をつけたいケースとして
- 住宅ローン控除で所得税が全額還付されている場合
- すでにiDeCoを利用していて、住宅ローンを組み住宅ローン控除を利用する場合
これらのケースは金額によって控除のメリットを減らしてしまう可能性があります!
住宅ローン控除とiDeCoを併用する際には、自身の所得税と住民税を把握することが重要です。
iDeCoとふるさと納税の併用
ふるさと納税の自己負担の目安は課税所得を元に計算されるため、課税所得が高いほど上限額も多くなります。
iDeCoは所得控除なので課税所得が減り、所得税や住民税を減らすことができます。
結果的に、ふるさと納税の還付・控除限度額が減る可能性があります!
まとめ:iDeCoは理学療法士の老後の資産形成に向いている
- iDeCoは理学療法士でも節税できる超有用な制度
- 老後の資産形成に向いているが60歳まで引き落とせないのがデメリット
- ライフスタイルによってはNISAの運用もあり
NISA同様、iDeCoも国が推奨する制度であり極力デメリットを抑えて運用することができます。
初めてでも簡単に運用可能のため、できるところからコツコツ始めてみてもいいかもしれません。
将来を見据えて資産形成を行なっていきましょう!